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お抹茶碗





父・本田剛嗣の作品です。(以下、長いのでスキップして下さい。)

どれも古さすら感じさせる重厚なデザインなんですが、
見た目のどっしりとした重厚感に比べて手に取ると軽く、また特筆すべきは
とにかく美しい内側の曲面です。自分もろくろの技術と古美術にやかましい父の下で
20年間ガッチリやられて「良いお茶碗って何だ?」という命題の自分なりの答えが
暗がりの中にぼんやりと見えるような気がするんですが、美術館や名物図鑑なんかに
載っているような名碗は、時代も産地も様々ですが、必ず共通しているのは
「ろくろが上手い」ということです。(極まれに例外あり)どんな看板にあぐらをかいても、
うわべだけの奇抜なデザインで人目を引いても、ろくろの下手な茶碗だけはダメなんだと
思います。言ってることがわかりにくいかもしれませんが、他の工芸や芸能に置き換えて
考えてみましょう。例えば構図とアイデアは良いんだけど線を書くことが苦手な画家の絵。。
一見面白みはあるかもしれませんが、本当に残念ですよね?
もしくはすごく美人なんだけど基本的に歌が苦手な演歌歌手。。
やっぱり随所ににじみ出る下手さが鼻について気持ちよく聴いてられないと思います。
それと全く同じように陶器。中でもお抹茶碗というのは高度に精神的な満足を求められる道具
なんだと思います。実際、自分も普段はお茶の時間に自分の作ったお抹茶碗を使ったりもするのですが、
使うとどうしても未だに父のものと比べると技術の至らなさがにじみ出てくるんです。
まさに歌が下手な人気歌手の歌を聴いてる様な感じで、お茶をすすった憩いのため息のはずが
ちょっとブルーなため息になってるんです。自分の至らなさが悪いのですが、逆に
やっぱり歴史上の名碗しかり、良い物は良いのだと再認識するのです。
昨年も陶器市で益子に行ったときに在庫準備をしていて父の良いお茶碗を見つけてしまい、
「これ俺使うからちょうだい。」「いいよ。」今でもメインにはその父のお茶碗を使っています。
自分だってお客さんにお金を頂いて作っている立場でそれは背信行為じゃないのか!?
と叫ぶ自分の中のチンケなリトル本田もいなくはないのですが、やっぱり上手いものは上手いですよ。
事実は事実なんだからその差が自分でわかるなら認めないとそこを埋める努力もできない。
そう考えることにして、今日も父の茶碗でお茶を飲む私、本田圭一なのです。

正直、写真だけでお抹茶碗が通販で売れるとは思っていないんです。ただ私たち陶工が、またお茶人が、
普通の人たちには「よくわからない」と言われることが多い「お抹茶碗」という物にどれくらいの情念と命を
燃やしているのか。その一端を垣間見るエピソードだと思って読み流して頂けたら幸いです!



 
粉引き抹茶碗


         ¥22000(税込み)
 
粉引き抹茶碗A


          ¥16500(税込み)
 
知床断崖風景抹茶碗


       sold out¥11000(税込み)
     
 
天目釉抹茶碗


         sold out ¥16500(税込み)
 
黒粉引き抹茶碗


          sold out¥22000(税込み)
 ※それぞれ一点物。写真の現品販売です。
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