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   〜知床窯〜                   〒099-4351 北海道斜里郡斜里町ウトロ香川124番地 







陶器のご使用について

知床窯の陶器 ご使用にあたって留意点・楽しみ方



     陶器は生き物

 
 昨今、日本の食卓で使用されている食器は、残念ながら大半が 陶器ではなく俗に「 セトモノ 」と呼ばれる量産品です。
「 セトモノ 」は「 磁器 」に近く、カチンカチンに固くて,吸水性が無く、いくら使い込んでもほとんど外観に変化はありません。一方「 陶器 」は柔らかく、温かみのある素材で、その特性上、若干の吸水性があります。両者の違いはちょうど
素材としての石と木のような違いです。今日、世界中で「 陶器 」の良さを理解できる民族は多くありません。
歴史上、建築や工芸でも「 木 」や「 陶器 」の
温かい手触り、経年による味わいを愛し続けた日本人ならではの美意識といえるでしょう。


  陶器を使い慣れない方のために具体的な留意点


 初回、ご使用になる前に水に入れて一度煮立てるか、または冷水に10分ほど浸して下さい。
 
窯から出した陶器はカラカラに乾燥していて、最初にある程度の水分を吸収します。また、数か月も使わずに棚にしまっていた陶器も、できれば軽く水をくれてから使って下さい。自動食器洗浄機は避けたほうが無難です。

 
花入れ・一輪挿しについて。それぞれの土や釉薬、また焼け上がりによって、表面にあせをかいたり、土という素材の特性上まれに若干水漏れすることがあります。その場合は一度乾かしてから、鍋にお米のとぎ汁を入れて器を煮立て、そのまま冷やしてて下さい。大抵はそれで収まります。収まらない場合は撥水剤(食器用シリコンや液体セラミック)を塗布する方が多いようです。また、ごくまれに検品時に見過ごしたヒビ焼き割れや、砂粒の抜けた穴から見る見る水が流れ出してくることがあります。その場合は知床窯にその状況をご連絡下さい。同等の品物をお送りさせていただきます。

 
ぶつけると割れます。当然のことですが、強く当てると割れます。
また衝撃に対して「 セトモノ 」よりも弱いので取り扱いには多少の注意が必要です。また、「 粉引 」の器でごくまれに口縁部の釉薬がパラパラと剥落する物があります。製法上、まれにこのような現象がおきるのは避けられず、剥落が著しい場合はその状況を知床窯までご連絡下さい。同等の品をお送りさせていただきます。

 

                 陶器の特性


 知床窯の中でも特に、「 粉引 」や「 三島手 」は、その柔らかい焼け上りと肌合いが魅力ですが、その分吸水性も高めで、湯呑み、酒器等の匂いに敏感な器は、それ専用にした方が良いでしょう。また、しばらく使っていると一番上の写真(知床窯・粉引湯呑み)のように、茶渋などで貫入(カンニュウ)に色が入ることが あります。知らない人が見るとただの「 ヨゴレ 」のように思われることがありますが、これは陶器に絶好の景色と風情を与える物で、言うなればジーンズの穿きジワや色落ちのようなもの、陶器ならではの「 使い込む楽しみ 」です。


             作家の思い


 何かとせわしい現代の日常の中で、せめてお茶やお酒、食事など、憩いのひと時を、使い込んでしっとりとなじんだ、あなただけの器で、ゆったりと楽しんで頂けたら…。
陶器には西洋の彩色磁器のような華やかさはありません。しかし、陶器には手で感じる温もりと、飾らない、本当のくつろぎがあります。遠く鎌倉の昔から、茶人が、そして多くの日本人が陶器を愛してやまないその理由を、一人でも多くの方に理解し、そして楽しんで頂けたら…。

 そんな思いでこれからも陶器を作っていきたいと思っております。
    これからもどうか末永く、知床窯をご愛用下さい。      

 











shop info.店舗情報



知床窯

〒099-4351
北海道斜里郡斜里町ウトロ香川
124番地
TEL.01522-4-2876
FAX.01522-4-2876

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